最新のイギリス科学雑誌「ネイチャー」別冊で、日本の科学研究の失速を取り上げ、先行きに強い警鐘を鳴らしています。具体的で、説得力に富んだ特集です。
ドイツや中国、韓国などが研究開発への支出を増やすなか、日本は10数年間大学が人件費に充てる交付金を減らし、その結果短期雇用の研究者が大幅に増え、若い研究者が科学技術研究に背を向けている現状を原因として挙げています。
私の観点からしてもその通りで、日本の大学は、人生設計が描けない任期付き、プロジェクトベースの特任研究員ばかりを増やしたことで、言葉は悪いが、知的エリートの下層階級を自らの中に作ってきた責任が大きい。文系でも、浮かばれない場所を優秀な若者は選びません。
「日本の科学研究は転換点にあり、次の10年で成果を出さなければ科学研究でトップの国という地位を失いかねない」。
NHK NEWS WEB 「英科学雑誌 日本の科学研究の失速を指摘」