夕べ行われた森口尚史東京大学附属病院特任研究員の会見を今朝のテレビで見ながら、 こう思いました。
①日本も欧米も、学術雑誌の投稿審査システムが時代に合わず、機能しなくなっていること、
②日本の大学では近年、プロジェクト単位に期限付きのかたちで「特任研究委員」に頼って大量に雇用することで、専任という安定したポジションに移行できず、与えられた課題だけを延々黙々とこなす事実上のアンダークラスを作ろうとしていること、
③日本の大手メディアが、基本的な事実確認すら行わず肩書き(それもあやふやな)だけを信じて報道するのは、おそらく、日常茶飯事
であることを実感しました。
とくに①は研究者の生命線である学術論文そのものの信憑性をゆるがし、②はこの国の科学技術を担うべき若い世代から研究の手応えや充足感、つまりやる気を奪ってしまう結果をすでにもたらしている模様が見えてきたということ、言いかえると森口氏1人の問題ではない、ということなのです。