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ROBERT CAMPBELL
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August 16, 2013

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軍艦島

 

gunkan1.JPG夕方から4月末に収録したBS朝日の「鳥の目で見た『軍艦島』~日本最古の高層住宅の秘密~」の再放送があったので、久しぶりに視聴しました。なかなかいい番組でした。自分が出ているテレビ番組を観るのがあまり得意な方ではなく、時間が合えばもちろん本放送は観ることにしているけれども、自分が録画したものとか、局から送られてくる同録のDVDをあまり熱心に観ないものですから、周囲との時差ができてしまいます。撮った時の内容と流れ、共演者の感触というのはいつまでも頭に残りますが、その記憶と出来上がって放送される「番組」とは全然別ものだったりするわけで、他人が観ていてこちらが観ないというとほんとうに話が噛み合わないというか、逆に妙に噛み合うからおかしな気分にさせられることが多々あるのです。

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『軍艦島』は違いました。スタッフといっしょに2日間かけてあの廃墟の隅々まで歩き通しました。画面で観ると、島の乾いた威厳と寂寥感とあちらこちらで咲いているジャズミンの甘い香り、潮風のリズムがそのままぎゅっと圧縮されるような仕上がりになっていました。無人機に乗せた超小型カメラという「鳥の目」も、あの絶島の景色をとらえるのに最高のツールでした。

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三菱社が島を買収して80年以上たった1974年、採算が合わないことを理由に炭坑は閉山され、島民も全員退去。無人島と化して以来40年近い間、吹きすさぶ台風にさらされており、今日も、ゆっくりと着実に朽ち果てようとしています。早晩、大正時代に建てられたRC造9階建ての鉱員社宅も、みんな自重に堪えきれず、誰も見とどけられない嵐の夜に崩れ落ちるにちがいありません。壮大な孤独死をとげる前に鮮明でいい映像が残せて、ほんとうによかったと思います。

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